Orchestral Works (Coll)

発売日2006-07-04

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DISC情報

アーチスト
 Ravel
 Mso
 Dutoit



ユーザー・レビュー

これはやはりとんでもない。

名匠シャルル・デュトワによる傑作ラヴェル集。1980年〜92年、カナダ・モントリオール市、サン・トゥスタシュ教会にてセッション録音。全16曲、演奏時間約300分+、すべてデジタル収録。パッケージは厚さ14ミリの薄型クラムシェルボックス(紙製)。

内容はデュトワとOSM(モントリオール交響楽団)がこの時期に集中録音したラヴェルの管弦楽曲を4枚のディスクに収めており、CD1とCD3は「ダフニスとクロエ」「ラ・ヴァルス」「ボレロ」などバレエ音楽中心の、CD2は二曲のピアノ協奏曲中心(ソリストはパスカル・ロジェ)の、そしてCD4は歌劇と歌曲を中心とする選曲となる。
楽曲については、ここに収められた16曲ほぼすべてが著名曲というのも凄いが、さらに凄いのはそれぞれの曲想に一貫性がないところ。それでもラヴェルにしか聴こえないのだから、やはり「オーケストレーションの魔術師」なのだ。

そして、デュトワである。OSMを率いていたこの時代、特に80年代前半(本作ではCD1〜CD3がそれにあたる)の充実ぶりは語りぐさで、今聴き直してもやはり異常。ほとんど神懸かり(ラヴェル懸かり?)と言いたくなるようなその演奏は、しかしどこにも突出したところがない。普通ならダイナミクスばかり強調される「ラ・ヴァルス」のグランカッサが、「ボレロ」のコーダが、絶妙に軟らかく上品な響きとして胸に迫る。「ダフニス」第三部冒頭の弦のうねりは、まるで巨大な生き物の吐息のよう。これはやはりとんでもない演奏だ。

歴史に残るラヴェル集といえば、旧くはモントゥー、ミュンシュ、クリュイタンス、時代が少し下ってマルティノンなどが挙げられる。なぜフランス人指揮者だけがなし得るのか、というのも不思議だが、この30年ほど前のデュトワ以降、その歴史が途切れてしまったのも謎である。今も立派な現役であるデュトワもブーレーズも、あの時代を超えることが出来ずにいる。こうして二十世紀音楽の金字塔が、素晴らしい音質で残されたことに感謝しつつ、そろそろ二十一世紀のラヴェルが聴きたいと思うのである。



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